銀杏の中毒について聞いたことがあるでしょうか。
実は、銀杏は食べ過ぎてしまうと体に痙攣やめまい、吐き気などの症状をもたらし、最悪の場合は死に至らしめることもあり得る食材の1つです。
ここでは、その銀杏の危険性についてお話しします。
中毒症状について
第二次世界大戦後、深刻な食糧難に見舞われた人々は銀杏を食べ、痙攣等を起こしたという報告がなされています。
危険性が指摘されるようになり、1960年以降は中毒による死亡例も減少しましたが、2010年に成人女性が銀杏を60個食べ、めまい吐き気を覚えたということが認められている状態です。
一般的に、銀杏を食べた後1時間から12時間以内に中毒症状が出て、多くの場合、24時間から90時間以内にその症状が治まると言われています。
しかし、対応が遅かったり食べた量が多かったりすると死亡するという危険もあります。
なぜ中毒症状が起こるのか
銀杏の実にはビタミンB6によく似た成分が含まれており、体はこれをビタミンB6として吸収します。
しかし、役割が異なり、体内でうまく機能しなくなってしまうために体の中でビタミンB6が欠乏してしまい、中毒が起こると言われています。
そのため、決して銀杏の中に危険な成分が含まれているというわけではありません。
このビタミンが欠乏してしまうことにより、痙攣やめまい、吐き気などが起こり、全中毒患者の8割が子供であり、その過半数が3歳以下の子供であると言われています。
そのため、銀杏の中毒の危険性は特に子供に高いと言われているのです。
注意するべきこと
中毒にならないためには、何よりも銀杏を食べすぎないことが大切です。
子供の場合は7個以上、大人の場合は40個以上で中毒の危険性が報告されており、特に子供の場合は解毒作用が発達しきっていないため、死に至る危険性が高まります。
確かに銀杏はナトリウムやカリウム、カルシュームなどのミネラルや各種ビタミンがたくさん含まれていますが、銀杏でなければ摂取できないというものでもないため、栄養があるからといって子供に与えるという事は避けた方が無難です。
銀杏は加熱したとしてもその中毒がなくなるというわけではありません。
また、子供であれ大人であれ、銀杏を食べた後に何らかの不快な症状が現れたら、すぐに医師に相談しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
銀杏の中毒性には危険がありますから、特に子供に銀杏を与える場合は注意が必要です。
くれぐれも、親が留守の間に子供が銀杏を食べてしまうといったことのないように注意をしましょう。