銀杏と聞くと、銀杏を食べると中毒にかかる、などという危険性を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
実際は、銀杏にはどのような成分が含まれているのでしょうか。
ここでは、銀杏が持つ中毒に関わる成分と危険性についてお話しします。
目次
銀杏が持つ成分
銀杏というのは栄養価が非常に高いものです。
ナトリウムやカリウム、カルシュームなどのミネラルや、各種ビタミンが豊富に含まれており、だからこそ秋になると銀杏が出回りますよね。
しかし、銀杏には「摂取したら危ない」などという成分があるわけではありません。
銀杏が中毒症状を引き起こす可能性がある理由としては、銀杏にはビタミンB6とよく似た成分が含まれており、銀杏を食べることにより体はビタミンB6を摂取していると勘違いすることにあります。
体が勘違いしていたとしても、成分が、ビタミンB6として作用することができません。
そのため、体内ではビタミンが欠如しているという状態になってしまい、痙攣や吐き気、めまいなどが起こるのです。
中毒の危険性
よって、決して銀杏に中毒を引き起こすような危険な成分が含まれているというわけではありません。
むしろ、食べ過ぎにさえ気をつければ何の問題もないのです。
中毒を引き起こす危険性のある個数に関しては、あくまでもその時点での体調や人によりますが、大人ならば40個以上、子供ならば7個以上と言われています。
もしも体調が悪ければ、そこまで食べなかったとしても中毒症状を引き起こす可能性は十分に考えられますから、注意が必要です。
また、中毒患者の8割は子供と言われており、その過半数は3歳下です。
そのため、いくら栄養が豊富であるとは言っても子供には銀杏を食べさせない方が良いかもしれません。
栄養価が高くても、そこまでの危険を犯してまで食べさせるほどのものでは無いからです。
中毒に関する事例
第二次世界大戦後、深刻な食糧難に見舞われた社会では多くの人が銀杏を食べ、痙攣などの症状を認めました。
その危険性が指摘されるようになり、1960年代以降はそのような問題が減りつつありますが、最近では2010年に成人女性が60粒の銀杏を食べ、めまい吐き気を覚えたということが報告されています。
中毒症状は、銀杏を食べてから1時間から12時間後に起こり、基本的には24時間から90時間以内に収まると言われています。
しかし、銀杏を食べた後に不快な症状を覚えた場合、やはり医者に診てもらった方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
銀杏自体に危険な成分が含まれているというわけではなく、銀杏の成分が体との兼ね合いによって中毒を引き起こすということになります。
そのため、食べ過ぎさえしなければ心配はいりません。
また、だからこそ加熱すれば中毒の心配がなくなるというわけではありません。
食べるときには十分に注意をしましょう。