銀杏と言えば、その黄色く色づいたきれいな葉っぱでも有名ですが、あの臭いが独特だと思う人もいるのではないでしょうか。
銀杏の実はさくらんぼのような形をしていますが、とにかく臭いがきついですよね。
しかし、そんな銀杏には実がなるものと実がならないものがあります。
ここでは、実がならない銀杏についてお話しします。
メスの木とオスの木
銀杏といえば秋にはその存在感を表す大きな木ですが、公園や学校などの銀杏は臭うのに、表参道や原宿の銀杏は全然臭いがしない、などということに疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか。
銀杏にはメスの木とオスの木があります。
そして実がなるのはあくまでもメスの机だけなのです。
言い換えるとオスの木からは実がならないため、全然においがしません。
つまり、銀杏並木などを見たときに全然臭いがしなかったら、それはオスの木なのです。
ただし、メスの木だけを植えてもオスがいなければ実がならないから臭いはしないだろうと思ったとしても、そんな事はありません。
銀杏は花粉が広範囲にわたって飛ぶため、もしもメスの木だけを植えたとしても、半径1キロ圏内程度にオスの木があれば、実ができる可能性は極めて高いといえます。
メスの木とオスの木の見分け方
銀杏の実を収穫するという目的があるのであればメスの木は重要ですが、観賞用として考えた場合、出来る限り実がならないオスの木を使った方が良いのではないか、と思う人もいるかもしれません。
実は、メスの木とオスの木を事前に見分ける方法は今のところ分かっていません。
枝の付き方が違う、などという考え方もありますが、それは都市伝説並みに不確かな情報です。
開花時期に雌花か雄花かがわかりますが、花が咲く前に見分ける方法はありません。
しかし、花が咲く時は実がなりますから、その時点でわかっても遅いと言えますよね。
それならば、全然においのしない銀杏並木は一体どのようにして作られているのでしょうか。
オスの木から接ぎ木や挿し木
銀杏並木の中には、実がなるものもたくさんあります。
しかし、例えば観光地や神社境内などの場合、実がならない銀杏を植えたいという場合もありますよね。
そのような場合、明らかにオスだとわかっている木から接ぎ木や挿し木をして育てるということがあります。
種から銀杏育てると10年近くかかりますが、接ぎ木や挿し木をすれば、既にその枝は年数を経ていますから、素早く成長してくれるのです。
また、この方法が唯一確実に実がならない木を育てることができるのです。
なお、先ほどオスの木とメスの木を見分ける方法は無いと話しました。
種の形から見分けることができるという人もいますが、それにも科学的根拠ありません。
まとめ
いかがでしょうか。
オスの木とメスの木があるという植物自体が珍しいですよね。
しかし、このような理由により、銀杏には実がなるものと実がならないものがあるのです。
銀杏は繁殖能力が高く、例えばメスの木5本に対し、オスの木は1本程度で十分な実がなります。