秋の味覚である銀杏。
美しい翡翠色の実は秋ならではです。
栄養価も高く、ミネラル豊富で低カロリーという嬉しい特徴があります。
食べてもおいしいのですが、毒があるので大人でも1日5粒か6粒を食べるのが丁度いいとされています。
子どもなら、多くても1粒で、出来ることなら食べさせないほうがいいと言われています。
でも、お腹いっぱい食べたいですよね。
銀杏の毒抜きをすれば、食べられるに違いありません。
銀杏は毒抜き出来るのかお伝えします。
銀杏の毒について
最近まで毒の正体である成分は分からなかったそうですが、近年は4-O-メチルピリドキシが原因だと分かっています。
4-O-メチルピリドキシはビタミンB6に似ていることもあり、体の中は4-O-メチルピリドキシをビタミンB6と同じように使ってしまいます。
しかし、ビタミンB6ではないため、結果的にビタミンB6欠乏に似た症状を引き起こしてしまいます。
ビタミンB6は神経伝達物質のGABAも作るのですが、4-O-メチルピリドキシはビタミンB6ではないので、当然、GABAは作られません。
結果的に、けいれんや嘔吐、めまい、顔面蒼白、発熱、意識混濁、呼吸困難を引き起こします。
食べてから、発症まで1時間から12時間だそうです。
なお、とても怖いものというイメージを持たれるかもしれませんが、銀杏の実に入っている毒はとても微量です。
過去に中毒を起こして、亡くなったというのは戦後すぐの食糧難時代のことです。
つまり、食べ物が銀杏以外になく、大量の銀杏を食べるしかなかったという状況だったのです。
多くの食料がある現代において、銀杏を大量に食べるというシチュエーションはまずありませんから、深刻にならないようにしましょう。
なお、近年の銀杏中毒としては2016年度に2日間に100粒食べた女性と晩酌で100粒食べた男性の例があります。
一度に食べてもいい目安は大人は最大で40粒で、子どもは5粒がいいところです。
毒抜きは可能?
4-O-メチルピリドキシは熱に強い性質がありますから、加熱ではなくなりません。
分かったのはここまでで、家庭で出来そうな毒抜きの方法はいくら調べても分かりませんでした。
しかし、人類は毒のある食べ物を毒抜きして食べてきた歴史があります。
日本では飢饉の時に彼岸花の球根を食べていたのですが、この球根には強烈な毒が入っています。
水に漬け、何回も水を取り換えるを繰り返すことよって、毒抜きをしたそうです。
カラスミの原料であるボラの卵巣は猛毒です。
これを大量の塩で漬け、水分を全部抜くことで毒抜きをするのです。
そのため、銀杏も水に漬け、取り換えることを繰り返したり、塩漬けにし、銀杏の水分を抜くことで、銀杏の毒抜きが出来るかもしれません。
ただ、これは推測でありお試しにならないで下さい。
まとめ
銀杏の実に入っている毒の正体は4-O-メチルピリドキシです。
この毒を家庭で抜く方法があるかについては分かりません。
大量に食べない限り中毒にはならないので、毒抜きをする必要はないでしょう。
ビタミンB6の摂取が少ない人ほど中毒になる可能性が高いといいます。
ビタミンB6は肉や魚、にんにくと幅広く含まれていて、普通の食生活では欠乏することが難しい栄養素なので、こちらも気にする必要はないでしょう。
なお、マンゴーやカシューナッツといったウルシ科の食べ物のアレルギーを持っている人は、銀杏のアレルギーにもなりやすいといいます。
こちらは中毒とは異なり、1粒食べても発症する方は発症するのが特徴です。